恐竜・怪鳥の伝説

何故か、Twitterをはじめとするインターネットで謎の盛り上がりを見せている「大怪獣のあとしまつ」今の所見に行く予定はないのですが、これを機に東映特撮YOUTUBEで怪獣にまつわる東映特撮作品を配信しております。

今回は、恐竜・怪鳥の伝説(1977年)を視聴いたしました。主演は、渡瀬恒彦さんです。

この映画は、富士五湖に突如現れた首長竜プレシオサウルス翼竜ランホリンクスの脅威とそれに纏わる人間の愚かさを描いた作品です。

この作品は93分の作品ですが、その内1時間ほどは、恐竜の出る湖に便乗して商売を始める人々と恐竜の卵を奪おうと湖に入る冒険家の愚かさをこれでもかというほど描いております。プレシオザウルスに次々と襲われる人間達、遂に湖は、閉鎖されてしまいます。

物語が動くのはラスト30分、ダイナマイトで湖を爆破させた地元警察消防団に怒ったランホリンクスが次々に人間を襲います。恐竜になすすべ無い人間達、遂に対峙した2大恐竜は、戦いの末噴火し、地割れが起きた富士山下に消えていくのでした。

ジャンルとしては、恐竜を題材にしたパニック映画で後のジュラシックパークワールドシリーズを思わせる描写もあるなど中々にドキドキする映画でした。しかしながら、特撮描写は、湖の爆破や山火事、恐竜同士の戦いはありましたが、戦闘機も戦車も出てくることは無く、ランホリンクスの下からの飛行シーンなど目を見張るシーンはあったもののゴジラシリーズ等には流石に及ぶのものではないように思いました。それでも映像の迫力をカバーするように恐竜に人間が食いちぎられる捕食シーン、恐竜同士の残虐流血ファイトなどのグロテスク描写に力を入れることによって、ファミリー向けの恐竜映画の枠を投げ捨てプロレスのデスマッチのような邪道的魅力を手に入れることに成功いたしました。

ただ最も、ベッドシーンもあり、食いちぎられた人間の断面描写あり、絶望的な状況の中主人公とヒロインが手を取り合ったものの助かる描写なく終幕するなどのビターなオチもあり、元々子供向けを狙った作品のはずですが背伸びしすぎた結果対象年齢不明の作品になったように思います。

東宝特撮のような兵器もでてこない、アクションを魅せる戦隊ライダーとは違った人間がなす統べなく死んでいく一般映画寄りの東映特撮を味わいたい方には、是非お勧めする作品です。